「なぜ酒を飲まないのか」もんだい

「なぜ酒を飲まないのか」ときかれて頭が真白になってしまった。よくきかれるけど。やっぱり今は語る言葉を持っていなかった。

 人は自分について語るとき、そのときのテーマで自分の過去をストーリーとして振り返る。例えば、「私はこういうきっかけで酒を飲み、結果はこうで、こう感じ、今こうなった」とか。

 (振り返るテーマによって人生って全然違う。そのときの気分によっても違うし案外適当。)

 何百回も振り返り語るうち、因果関係のあるストーリーとして過去が認識され、抽象化される。(抽象化ってぼんやりさせることじゃなくて抜き出してシンプルにしてくこと)

 そのシンプルなストーリーが、自分の中で固定化され、自分の認識に影響を与え、自分で自分をカテゴライズすることになっていった!!うわーーーー。その因果関係、結構捏造かもよ!?そんなもんに影響されていいのか!?

 と、恐ろしくなった私の中で、酒に関する自分でつくったストーリーがぶっ壊れた。ぶっ壊れたというより、因果関係を認識しようとするのをやめてしまった。なんだかそこは爆弾で吹っ飛ばされたみたいに穴があいてしまった。

 そしたら今度は、酒のことを思い出そうとすると、眩しくて暗い海みたいのが静かにそこにある、って感じになった。それはそれで、常に自分にダメージを与えてくる。

 うーん、夫婦のことって、夫婦にしかわからないじゃないですか。夫婦じゃなくても、長年つきあってる友人との関係とか、長年じゃなくても、誰かとの微妙なニュアンスとか、他の人に説明しようとしてもなかなか言葉が見つからない。

 それは、認識がシンプルじゃないことが語る前からわかっているからであって、逆にシンプルに語ってしまうと、何度も何度も語ってしまうと、言葉って怖いんですなー。認識を縛ってくるのですよ。

 なので、何が言いたかったかというと、自分がつくった自分のストーリーに結構縛られてる自分ってこと。ほんと怖い。言葉とか、記憶とか、自分を信じるとか、やばい。

 って、今書いてるコレもいっこのストーリー!?やばいどうしよう…

浮遊する城・りょう城のお城

危険なので本人以外入ってはいけません